「おいっ優妃はいるかっ!?」    

 下から聞こえる男のドスのきいた声   
 ーまたあいつか‥
 

 男からはアルコールと煙たい異臭が漂っていた。
 
「ここ片づけろって言っただろっ!!」 

 見覚えのない書類といくつものビールの缶、煙草だった。 

 「ごめんなさい」

 鬼のような形相に、面食らってしまった  
 
「でも、お酒や煙草は控えたほうがいいと思う‥」 

 
 「‥お前、母親に似てきたな」

 そしてこう続けた

  「ー汚らわしい‥」

 何言ってんのコイツ‥ 

 お前のほうがよっぽど汚れてるよ。

 
 その言葉を聞いた瞬間、自分のなかにあった理性が消えてしまった。

 
 「っ!?痛ってぇぇ!! 何するんだ!!」
 
 
 私は、男の膝を思いっきり蹴っ飛ばした。 

 
 
 そして家を出た。