そう、それは2年前のこと。
「裕也?私たち明日から、
海外で仕事になったから、あなたは
こっちに残ってね?」
「は?なんだよいきなり。」
「みよちゃんの家ならまだ安心だし。」
みよちゃんとは、のこのお母さん。
「みよさん迷惑だろ。しかものこも
いるんだぞ?」
「しょーがないわよ。その代わり約束。
5年したらこっちに絶対に戻ってくるから。それまで待ってて。」
おれはこれから1人。
なんなんだよ。いきなり。
悩んでいるといきなり。
「父さんのせいでごめんな。
裕也。」
「そーだよ。俺、これから
どーしたらいいんだよ。」
一番の心配はそれだった。
「お前はここに残って、ご飯とかは
みよさんにやってもらうことになった。」
「それ迷惑じゃ?」
「大丈夫と言ってくれた。
隣の家だから、任せてと。」
「はぁー。わかったよ。いつから?」
「明後日。明日の夜には家を出る。」
「そんな急に。」
「ごめんな。裕也」
「いーよ。俺の心配すんな。」
「ごめんね。裕也。」
はぁー。これからどーしようか。
なんなんだよ。