「鷹野を忘れるために、俺と付き合えよ。……ダメか?」


耳元で囁いた声は少し掠れていて、
ドキッとしてしまった。


「てゆうかさ、斎藤君はこんなに肉食系男子じゃなくて、王子様キャラだったよね?なんか。いつもと違う。」


「……好きなやつが前にいるんだから、余裕あるわけないだろ。……恥ずかしいからこんなこと言わすんじゃねぇ。」


びっくりして、見上げたら
斎藤君と目があった。

「……やべ。かわいい………。」

でも、かっこいいけど、でもっ!!


「い……今は無理。」


さすがに今はそんなことしてる気分じゃない。

てか大体、失恋してたんだから。