キーンコーンカーンコーン
「「ごめん」」
っえ?
「「……先にいいよ。」」
「「かぶったね(笑)」」
なんでこんなに被るの?!
我慢できずに笑ってしまった。
斎藤くんも同じことを考えていたみたい。
「……あのさ、弁当ありがとな。」
「うん。」
「もう作らなくて良いから。」
え。
「迷惑だったろ?
好きでもないやつに弁当だなんて。」
「そんなことない。」
「ごめんな。」
「私が作りたいのっ!
美味しいって言ってくれたから、私が頑張りたかったの。
突き放しておいて、自分でも最低だって思うけど、これからの朝が楽しみだったのに。なんで、なんでそんなこと言うの?」
「聞いたんだよ。
……原田との会話。
俺のこと、ちょっとでも意識したかなって思ったけど、違うだろ?」
やっぱり聞こえていたんだね。