「ん………」
冷たい風が頬を撫でるのを感じ、目を開けば空は暗く雪が降っていた。
雪……?
なんで……?
さっきまで昼間だったのにしかも……なんで外?
頭の中には疑問ばかりが浮かぶけど、このまま寝たままではいけないと体を起こすと、目の前に二人の男が立って私を見ていた。
その二人は、浅葱色の羽織りを着て一人は土方さんにそしてもう一人は私に似ていた。
「あー……えっと、失礼しました」
そう言い残し、隣に転がっていた刀を持ってダッシュした。靴を履いていなかった為靴下のままのダッシュしている。
石がゴロゴロして足が痛い。
「待てゴラー!!その変な女ー!!」
「へっ!?待てと言われて待つ奴がいると思うのか!?この土方さん(仮)!!」
「!?てめっ!なんで俺の名前知ってんだ!!」
「はぁ!?アンタほんとに土方って言うの!?
気持ち悪いっー!!土方さんは歳紀さんだけで十分なんだよ!!そっくりさんなんて一人で十分なんだよ!!この土方さん(仮)!!」
土方さん(仮)に後を向きながら叫んでいるとドンッと誰かにぶつかった。
「って、すいま………」
「いてーなオイ!!どこ見て走ってんだよ!!」
うわー、リアル893ーっ!!?
どうするべきだコレ、目の前には893だし後ろからは土方さん(仮)と私にそっくりの人と挟まれてるし、どーしよーっ
「なに、ブツブツ言ってんだよ!!」
そう言って893みたいな人が刀を抜き、斬りかかってきた。
まさか本物じゃ無いだろうと思っていて簡単に避けたら肩に少しあたり服と肉が斬られた。
「は!?本物!?」
突然のことで驚き、斬られた肩を押さえたら痛みが走った。
確かに斬られたのだと確信した。
そして、もうひとつ確信した。
殺されると………。
その時、自分の中で何かが外れる音がした。
そして、いつの間に握っていたのか分からないが、抜刀された子孫の刀を握って自分を斬りつけた相手の腕を斬っていた。