それより、なんで俺に
転入生の話?






「なんで、って聞きた
そうな顔してるな。」



「聞きたいんだけど。」






転入生が
女だったとして、

手出すなよ、なら
分からなくも
ないんだけど。





男、だろ?











「雪野にな、
友達になってあげて
ほしいんだよ。」










……友、達?






「なんでまた俺に……」



「前の学校での友達が
お前みたいな系統
だったって言ってた。」



「?、誰が……」



「本人、」






俺みたいな系統、て。



遊んでます、みたいな?

噂とか
絶えないです、って奴?





ダメじゃん、転入生。







「ってかさ、何?
そいつ俺の事
なんで知ってるわけ?」






そんな、
他の街まで行くほど
名前知れてないだろ。









「あぁ、一回見学に
来た時にな、
お前を指差して

『あいつ、地元の奴と
似てる』って。」



「……それだけ?」



「まぁ、」






地元の奴と
似てる、ってだけだろ?



それは友達だったわけ?








「考えといてくれよ、」



「あー、はい。」






適当に返事をして
立ち上がる。



部屋から
出ようとした時にふと、





「センセ、
もしかして俺のため?」





そんな疑問。


俺が友達
いないから、な。


いい機会だと?






「あぁ、
それもあるな。」





こういう時に嘘を
ついたりしないとこ、

俺が十時を
信用する理由。






「……そっか、
さんきゅな。」






転入生に構うのも
いいかな、なんて。