どうして忘れていられたんだろう

これを書いたのは、いつだったっけ


確かちょうど一年前のクラス替えの前だった




こんな気持ちを私はいつ忘れたのかな……





なにか大切なものを落として、気づかずに振り向かないでそのまま消えていってしまうような

そんなとりとめのない思いがして、私は窓からはいる陽の光が風と一緒に揺れるのを長い間、ただじっと見つめていた




これを見つけたのは、日曜日の昼下がり。部屋の大掃除をしている時だった。



受験を終えて



四月から念願の大学生



喜びに浸りつつ
突然なくなった やるべきこと を実感し



とりあえずまずは整理整頓!



そう思ってはじめた部屋の片付け


引き出しの奥の隙間に落ちていたノートを見つけてパラパラっと開くと紙が1枚ポロッと落ちて



突然、それが目の前に現れたのだ



それは一年前に書いた、渡せなかったラブレターだった