窓際にその人は伏せて眠っていた。

机に伏せて、微妙に顔が見えてる。




「ん…」


その人は目を覚ました。



「お前…何してんだ??またサボりか?」



「あんたこそ!!」


そこにいたのは、屋上にいたアイツだった…
微妙な偶然だなぁ…


「ねぇ、ってかさ、聞きたい事あんだけど…」


あたしは、屋上で言われた言葉を思い出したのだ。




――ってか、倖って変わったな――




「あたしと知り合いなの?」


そしたら、アイツ、困ったような寂しそうな顔して笑ったんだ。


「薄情だよな~」


って。




「俺にとってはすげぇ大きな事だったのに
 お前は忘れてんだ」


「えっ!?何??」


「知りたかったら自分で思い出せ」



怒ったように言って出て行こうとする。



あたしは、呼び止めた。


「待って!!」


「あぁ!?」


「名前…だけでも…」


「…永空」


それだけ言って


―バンっ!!


強く戸を閉めた。