「ってかさぁ~、いいよね~倖…」


ケイとの言い合いに疲れた頃、あたしの元にカオが来た。


クラスは違うけど、一年前から仲がいい奴。


矢田果音(ヤダ カオン)。
同じ委員会で知り合った。
気が合う唯一の女友達。
まぁ、至って普通の女の子。


「何が~??」


「浜先生に話し掛けてもらえて~!!」

「あんなのただのオッサンじゃん??」

「お前にはわからないんだ!!あの先生の良さが!!
 なんなら語ってあげようか??」


得意げに笑い出したカオに、「いい」
と一言言って、あたしは教室を後にした。

「またサボり~!?!?」


「保健室~」


ケイに呼び止められたけど。軽く交わして、あたしはまた、アイツがいた屋上に向かった。










○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○



「ん~…」


いつの間にか寝てた。


ヤバイ!!

そう思ったときには遅かった。

何がって??………それは…



――バンッ!!


「倖!!ここか??」


勢いよく屋上のドアが開いて、浜先生が入ってきた。