「倖~どこ行ってた??」


教室に入るなり、先生に見つかる。


「保健室に…」


先生は、あたしの言葉を遮る。



「俺に嘘をつくとはいい度胸…」


あたしも先生の言葉を遮って、
逃げた。


「見逃して!!」


「今回だけな~」


先生はそれだけ言って、教室から出た。


理科の先生。浜(ハマ)先生。
若くて、何気かっこいいから、生徒から人気。



「倖サボり??」


「違うよ~!!」



今話しかけてき奴、
この中学に入って知り合った人。



多田慶太(タダ ケイタ)。
背が高くて、勉強以外は何でも出来る奴。
友達と騒ぐようなタイプではなく、
いつも席で本を読んでる。
通称:ケイ。


「今何やった??」

「知らん。俺寝てたし」



ケイは、笑って答える。


「真面目に受けろ!」


あたしはすごい軽くケイの頭を叩いた。


「いってぇな~!!サボってた奴に言われたくないわ!!」




それから二人で暫くギャーギャー
言い合ってた。