「わぁぁぁぁぁ!!」



たった今、耳が裂けるような大声を出したのは、

斧田倖(オノダ サチ)。
中学生の女の子。身長165cm。
至って普通の中学生。だと思う…。

あたしは、女子なのに

  “女子が苦手”だ。


男子の友達の方が多かった。


幼馴染にも男子しかいなく、

また小学生の頃から男子といた。




「うるさい…」


低い声がした。その人は、たぶん男子だろうと思われる。
でも、角を曲がったところにいるから、顔は何も見えないし、どんな人かも分からない。







あっ…
人、いたんだ。知らなかった。




「すんません」




ってか、この時間帯って…


「あなたサボり??」


「…」


シカトかよ。

今は、3時間目の途中。
いわゆる、授業中。




「ねぇ、何してんの??」

「…」


またシカト…。

なんだ??この人。


――キーンコーンカーンコーン


ヤバッ!!授業終了のチャイム。


「早く戻ったほうがいいよ」


それだけ言って、あたしは走った。