―碧斗side―



『ちょっとは寂しいけど、もう2年経つから慣れた。』




そう応えると彩葉は哀しそうな顔をした。


きっと彩葉はすぐ人の気持ちに感情移入してしまうのだろう。


出会ってまだ数週間なのに、俺はなぜそうなったか話してみる事にした。




『俺、小学校高学年の時ぐらいから反抗しててさ、中学に上がった時に問題起こしたんだ』




そう、あれは中1の夏だった…


先生に反抗してばっかりいた俺はある日、先生に注意されてついカッとなって先生を殴ってしまった。


その行為で最初はクラス全員から恐がられて、その事はすぐ全クラスに広がった。


そしてある事ない事が勝手に作られて、やってもいない事までやったみたいに言われた。


友達なんていなかったし、できなかった。


それがきっかけでずっと孤立し、小説ばかり読み始めた。


小説なんてガラじゃなかったけど、読んでみたら面白くてハマった。


そして月日が過ぎ、卒業式の日が来ても俺の周りに友達なんて1人もいなかった。





人はたった一度の過ちも、一生の罪となる。


俺はそう思った。