ベンチに座り、曇り空を眺める。
どんな天気だろうとここから見る景色は良い。
だって、目の前の湖に空が映るから♪
向こう岸が見える小さな湖かもしれないけど、私はここが好きだ。
真紘と二人で虹を見た場所だから…
『彩葉はさ、夢…とかあるの?』
曇り空から目を逸らし、私の目を見てきた。
真っ直ぐな目で見られてすごく恥ずかしい…
けど、夢って口にしないと叶わないって聞いたことがある。
だから言うよ?
「真紘と結婚して幸せな家庭を築きたい…」
それが私の夢。
何年かかるかわからないけど…
まだ付き合って1年も経たないけど…
真紘となら!って強く思えたんだ。
もしかしたらこの先、いつか別れるかもしれない…
けど、そうならないようにする!
『叶えようよ…二人で』
「でも、この先別れちゃったらどうしよう…」
『もし、彩葉が俺を嫌いになっても…
もう一度振り向いてくれるまで諦めないと思うよ』
私の手のひらを上から真紘が手を重ねる…
大きい手が私の手のひらを包んでくれる。
「じゃぁ、もし真紘が私を嫌いになっても、私も真紘が振り向いてくれるまで諦めない!」
すると真紘が可笑しそうに笑った。
目を細めて楽しそうに…
『まっ、絶対別れないけど』
「だね!」