無事、すんなり退院しその足で駅に向かう。
お母さんに止められはしたけれど、これだけは決めたから諦めなかった。
電車で4駅のところに真紘がいる。
早く会いたい…
だけどいくらインターホンを押しても出ない。
留守かな?
でもせっかくここまで来たんだから、せめてあの場所に行きたいな…
コートに手を入れて、中のカイロに触れる。
冷え切った手のひらがじんわり温かくなる。
吐息が白くて、寒さを感じさせる冬。
ゆっくり歩いていくとすぐに学校が見えた。
軽い坂道を登ったところに高校が建っている。
その一本手前の道を右に曲がったところに、あの大好きな場所がある。