-真紘 side-
家に帰り、風呂に入った後自室のベッドに寝転がった。
仰向けになり、電気の明るさに目を細める。
今日は本当に楽しかった…
イルミネーションを見てはしゃぐ彩葉が可愛くて仕方なかった。
「綺麗!」って何回言っただろうな。
それに指輪…
喜んでくれて良かった!
指輪の中でも本当に安い物しか買えなかったのに、彩葉は喜んでくれた。
いつか、彩葉の指にもっと良い指輪をはめてあげられるようになりたい。
そう思って目を閉じた時…
《♪〜♪♪〜♪♪〜》
こんな時間に電話?
スマホに表示された名前は穂尭だった。
きっと今日の夏奈とのノロケ話かと思って、いやいや電話に出てみた。
《真紘!》
『どうした?』
急に大きな声を出す穂尭。
いつもならこんな声を出さないのに。
《彩葉が…事故に遭ったって…》
『え…』
嘘だろ?
さっきまであんなに笑ってた彩葉が?
一瞬頭の中が真っ白になる。
《さっき夏奈から電話があって…》
『嘘だ…』
力なく耳からスマホを下ろして電話を切った…
嘘だろ…
なぁ、なぁ…
ウソだと言えよ!
『いろ…は…』
いてもたってもいられず、彩葉に電話をかけるも繋がらない…
どうして出ないんだよ!
彩葉…
なぁ、彩葉…
嘘だって言ってよ…
-真紘 side end-