イルミネーションを1週し終えて時刻は19時過ぎになっていた。


これからどうするのかと思った時、手を引っ張られた。




『夜景…見ない?』


「見る!見たい!」




嬉しそうに私の顔を見ると、すぐ側の階段を上がっていく。


イルミネーションだけでなく、夜景が見れるなんて…


他愛のない会話をしている間に、最上階の階段を登り切る。


運良く、その場所には人影がなく二人きりになれた。


しっかり柵があり、走って手すりに捕まって下を見下ろす…


カラフルに輝くイルミネーション…


あのツリーだって上から見ると、何かわからない。


でも




「綺麗…」


『夏祭り思い出すな♪』





にっこり笑って夜景に目を向けた真紘。


その瞳に輝きが増す…


手前にはイルミネーションの光がいっぱいで目がチカチカするけど、その後ろは夜景でいっぱいだ。


普段夜景なんて見たくても見れないし、自分たちが歩いている街がこんなに綺麗なんて思わなかった。


夏祭りの場所とは違うけど、ここも良い!




『えーっと…目、閉じて手を出して?』




何だろ…


言われた通り目を閉じて右手を出してみた…


すると小さな何かが置かれて目を開けた…