それから奥へと歩いて行くと、聞いた事のある声がした…
この声…
間違えるはずない!
数歩先で隣のきれいな彼女と笑いあっている彼。
足が止まって、真紘が私の顔を覗き込んできた。
「鈴原くん…」
『誰それ?』
「高校に入る前に振られた人…」
まさかこんな場所で出会うなんて思わなかった。
変わってないあの横顔…
隣に立っている彼女さんを見て思う
やっぱり私には無理だったって。
あんなキッパリ振られるなんて思わなかったよ。
『そいつ、損したよな』
「えっ?」
『だってこんなに可愛い彩葉を振るなんてさ…
俺には考えられないよ』
そんなサラッと言わないでよ…
余計恥ずかしくなるじゃん!
『でも、そのおかげで俺たち付き合えてるんだけどな』
「…だね」
そうだ。
あのままもし付き合っていたならば、真紘を好きになる事なんてなかったんだ。
前にいる鈴原くんを見て思う…
真紘の方が断然かっこいいと。
きつい言い方しないし、心優しいし…
『だからさ、気にすんなよ?』
「…ありがと!」
そうだそうだ。
終わった事だ。