アーチはシンプルに青と白のLEDがチカチカ輝いている。
イルミネーションなんて初めてだ。
車で前を通るぐらいで、実際に近くで誰かと見たいとも思わなかった。
だけどなぜが今年は行きたいなって思えたんだよね。
『実はさ、イルミネーション初めてなんだよね』
「一緒だ!」
『それは良かった☆』
二人して笑い合いながら先へと進む…
そこには大きなクリスマスツリーが色鮮やかに飾られていた。
それをバックに彼カノが写真を撮っている。
いいなぁ…
『俺たちも撮る?』
「いいの!?」
『当たり前!』
ツリーの前があいた後に素早く場を抑え、スマホを内カメにしたけどなかなか上手くいかない…
するとひょいっとスマホを真紘が持ち、画面に上手く納めてくれた。
小さな声で『撮るよ』と呟いてくれて、二人してピースサインをして笑った。
男の人の手っておっきいなぁ。
すっと右手を伸ばして自分の手の小ささを見る。
『彩葉の手、ちっちゃくて可愛い』
「もう!」
頬を膨らませて怒った顔をしてみると、小さく笑って真紘が左手を伸ばして重なった…
思った通り、真紘の指先は私の指先をはるかに超えていた。
『俺の手、小さいほうなんだけど?』
「嘘つけ!」
『嘘じゃないって!
でも、彩葉の手を包み込める大きさで良かったよ』
そう言って私にスマホを渡して、また真紘と手を繋ぐ。
小さな私の手をすっぽり包み込んでくれる、そんな真紘の大きな手が大好き。