奈々の匂いだ…

フローラルな香りが部屋中にしている。


奈々は背を向けたまま肩を震わせて泣いている…




「私…、碧斗に酷いことした…」


『…』


「本当はね…本当は…」





そう言いかけた時、俺は奈々を後ろから抱きしめていた…


やっぱり痩せてる…


懐かしいこの感覚。





『言わなくていい。
事情はだいたいわかる…
気がするから』


「でも…」





奈々はあいつの言いなりだったんだろ?


逆らえなかったんだろ?


わかるよ…。

奈々の事ぐらい。




『俺こそごめんな…』


「碧斗は悪くないよ!」





奈々…