すると真紘は懐かしむ様に目を閉じて軽く頷いた。




『渚との初デートは水族館だったよ。

ペンギンがものすごく好きで隣で騒いでた』


「いいなぁ〜…なんか理想のデート!」





水族館とかだと、ゆったりした雰囲気で魚たちに癒されそう…


ロマンチック!





『後は夏祭りだね…
2回しかデートできなかったからね』

「じゃぁ…渚さんの分もデート楽しまなきゃね♪」




たった2回だったかもしれない…


けれどこの先、何年、何十年経っても真紘にとっては一生忘れられない記憶になって行くんだ。


私にもこれから真紘にその記憶と同じ…までとは言わないけど、記憶に残るデートできるのかな?




『彩葉は優しいね。
別に気にしなくていいんだよ?』


「うぅん、私にとっても渚さんは特別な人だから」


『ありがとう』





今、真紘の隣にいるのは渚さんではなく私なんだ。


ちゃんと隣で支えてあげるんだ。