結局帰ってくるかハラハラしたけど、2人は教室に戻って来た。


放課後に碧斗に何があったかを聞くと


『別になんもねーよ。
お前は心配すんな』


そう言って頭を撫でられた。


『帰ろ…』


小さく呟かれ、手を引かれて帰り道を歩いた。



ちらほら帰宅途中の生徒が横を歩いていく…


碧斗は私の手を握ったままで、全然話してくれなかった。



「ねぇ、土曜日…
あのあと大丈夫だった?」



沈黙を破ったのは私だった。


土曜日…


つまり碧斗が熱を出した日。


私は18時半には帰ったから、その後のことは知らない…




『まだ少ししんどいけど大丈夫…』


「微熱…って感じ?」




少し前を歩く碧斗の顔を見たかったけど、なかなか追いつけない…


すると急に立ち止まった碧斗…


やった!と思い、碧斗の頬を両手で優しく挟んだ。


ほんのり赤い…


まだ熱…ある。




『ばか…
背伸び…ふらついてるし』


「だって!碧斗がデカいんじゃん!」




私より頭1つ半おっきい碧斗。


精一杯背伸びしないと届かない…


すると私の手に碧斗の手が重なった…




『ほんと小さい手…』


「小さい小さいって…」