-穗尭 side-
彩葉を見て、この前の出来事を思い出す…
夏奈と付き合って3日経った放課後に珍しく、碧斗に話があると言われた。
話の内容は簡単だった。
真紘と彩葉をくっつけたいという…
けど、碧斗も彩葉が好きなんだろ?って聞くと、小さく頷いたけどすぐ笑ったんだ。
『俺はあいつを泣かせてばかりだ。
だからもう泣かせたくないんだよ』
と、笑顔で言ったんだ。
だから少し協力してくれと…
俺は次の日、真紘を問い詰めたんだ。
『お前、このままでいいのかよ!』
『…』
ただただ真紘は黙ってばかりいた。
『いつまで渚の事、引きずってんだよ…』
真紘は渚が死んで、よく笑うようになった。
それも笑顔の片隅には悲しい表情があった。
心の底から笑ってない…
誰だってそう気付いていただろう。