-真紘 side-



なんだよアレ…


鞄を持ち、向かった先は彩葉と虹を見た場所だった。


立ち止まって顔を上げると、空は一面雲で埋め尽くされていた。


自分の気持ちに気づくのが遅かった。


死んだ渚の事ばかり思っていたばかりに…




すると後ろから足音が聞こえ、その影は俺の数歩後ろで止まったみたいだ。


穂尭じゃない。


もしかして碧斗…?




『何?
ほんとに妬いてんの?』


『妬いてない…って言ったら嘘になるね』





振り返るより先に碧斗の声が聞こえた。


そりゃ、妬くよ…


彩葉が好きなんだから。