このタオル…碧斗の匂いがする…
「ひくっ…ひくっ…」
どうしてまだ涙が止まらないの?
そう思った瞬間、碧斗が私の髪をタオルで拭き始めた…
優しく…
だけどどこかガサツで…
可笑しくなってきた…
「ははっ」
『なんだよ、ったくお前は急に泣いたり笑ったり』
手を止めて、碧斗は私の額にデコピンしてきた。
「痛いって!」
『バカ!
でも、これでいつものお前に戻った』
そう怒った後、すぐいつもみたいに白い歯を見せて笑った。
碧斗が髪から落ちる雫が私の手の上に落ちた…
「ははっ、ありがとー!
碧斗の髪、拭かせてよ?」
『バカ、お前が先!
風邪引くだろーが』
「バカって2回目!」
『…ははっ』
そして互いに笑ったあと、碧斗がまた私の髪をタオルで拭いてくれた…