電車から窓の外を見て、目を細めていた。




『ごめん。』




小さな声でそう言った碧斗の手は小さく震えていた。


そっと距離を縮めて座り直し、碧斗の冷えきった手を握った…


あの時の手とは違った…

前はあんなに温もりを感じたのに

今はすごく冷たいし、震えていた。


大きな手に触れ、両手で碧斗の左手を握った。




「碧斗は悪くないよ。
私こそごめん。」




その時、碧斗の震えが止まった…


私を見て目を細めた。





『辛い。』





また消えそうな声だった。