-碧斗 side-



俺の右手を取り、一歩踏み出した彩葉…


なのに俺の手に触れた瞬間泣いたんだ…


彩葉の頬を伝う雫に手を伸ばす…-


彩葉の柔らかい頬に触れ、涙を拭う。


それでも涙を流し続けている…



震える肩を抱き、彩葉を自分の胸に当てた。




俺の胸に響く鳴き声…




彩葉の髪から甘いシャンプーの匂いがした。


彩葉はここにいる。


真紘じゃない。


俺の胸の中に…





「安心…したんだ」






俺の胸に顔をうずくめる彩葉の声…