それからなぎは俺にその彼氏の事を話してくれた。
明るいふりして、いつも楽しそうに笑う。
そうなったのは自分のせいだって…
私と出会ってから、変わってしまった。
私と出会わなければ、ずっと明るいままだったのにって…。
「あんな顔させられたら、病気の事話せなくて…」
『だから、互いに笑ってる…
違うか?』
なぎは頷いた。
肝心な話は出来なくて、いつもたわいのない会話で終わってしまうのだろうか?
彼氏を心配させたくない気持ちと
彼女に自分の事を心配させたくない気持ち…
『言ってみろよ?
自分が思ってる事…』
「でも…」
『それぐらいで逃げたりしないだろ?
お前の彼氏は…』
彼女が病気になったからって簡単に捨てる男なんていないだろう…
一人で病気と戦うんじゃなくて、二人で戦うものじゃないのか?
辛くても、支えあって壁を乗り越えていくものだろ。
「うん。ありがと…
今度言ってみるね!」
そう言って立ち上がった。
きっと大丈夫。
なぎは病気なんかに負けたりしない…
そう思ってたのに…-