「また見てたよ、要!」

「え?」


横を歩いていた友達の相良 柚(さがら ゆず)ちゃんに指摘され、はっと前に向き直る。



「要ってばホントよく南雲くんのこと見てるよね!
もしかして、好きとか!?」

「…うーん……」


確かに自分でもよく見ちゃうとは思ってるけど、好きかって言われると…うーん…。


「あ」

「ん?」

「分かった。
南雲くんって、なんか犬に似てない?」

「……は?犬?」

「そうそう。
それでなんかついつい目がいっちゃうというか…目が離せないというか…」

「……ようするに、ペット感覚?」

「…いやいや!そんな主従関係みたいなことは思ってないけども!」

「んー…
まぁ、気持ちはわからなくもないかな。
犬みたいっての、納得しちゃったし」

「でしょ?」

「それに、見てるだけなら目の保養だしね」

「…ほんとイケメン好きだね、柚ちゃん…」

「バッカあんた。
顔がいいか悪いかって言ったらいい方が良いに決まってるでしょ!」

「…まぁ、確かにそうだけどさ…」

「…とにかく。
初恋もまだの12歳花の中学生天海 要!
あんたもいい加減彼氏作りなさいよ!」

「柚ちゃん…言っとくけど私達まだ中1だからね…?
みんながみんな柚ちゃんみたいに恋愛経験豊富なわけじゃないから…」

「何が『まだ中1』よ!もう中1!
中学生になったんだから彼氏の1人や2人できたっていいはずでしょ!」

「ほんと柚ちゃんは恋愛脳だね…」

「乙女の鑑とお呼び」

「呼ばないけども」


まぁ、とりあえず恋愛はいいかなぁ。

南雲くんから目が離せないうちは、彼氏なんて出来なさそうだし。



あ、今度はシャー芯でピラミッド作ってる。