「キスして?」

してくれると期待したんだ。

「してと言われればするよ。
でももう自分からしようとは思わないんだ。」

それから軽くキスをしてくれた。

まだ離したくなくて今度は私から。

今日だけ…今日で最後だから…
だから今日だけは沢山キスさせてね。

強がりで泣き虫な彼はいつの間にか泣いていた。

彼がそれを見られたくない事を知っているから私は彼の耳元でそっと話し出した。

「今キスして、ちょっとでも好きだと思った?」

「…うん」

「そっか。私はずっと好きだよ」

「…ありがとう」

「その涙は何の涙なの?」

「分からない…辛いんだと思う…」

「うん、待ってるから」

「ありがとう」