父親との和解

父は常に気まぐれな人だった…。

自分の考えていることが、常に、正しいと思い込んでいた…。

優湊は、父にとって、自分は、微かな存在で、そこまで、大事な子供と思われてないと、物心つく頃から、そう感じていた…。

優湊が、24歳になり、母親の余命を、突然、実家に帰省した、お姉さんに告げられるまでは…。

優湊は、その頃、長引く思春期が原因で、父娘喧嘩が絶えなかった。

最悪なことに、その溜まったストレスを、本当は凄く、大切なおばあちゃんに、八つ当たりで、拳で叩いた時も数回あった。

その度に、優湊は、自分の犯した罪に、罪悪感を覚えて、自殺願望までもが出てしまう。

そんな時に、優湊は思う…。

「こんなままの自分は、駄目だ。いつか、自分を壊してしまう…。母の余命を聴いて、動揺して、辛いのは分かるけど、一番辛いのはお母さんだ…。こんな所、お母さんに見られたとしたら、とても、恥ずかしいことだ…。自分は、もう一回、一からやり直そう!!!」

そう決意した日から、家族との関係を、自分から歩み寄ることで修復したり、今までの自分の考え方も改心して、一新してみた…。

その努力で、少しずつ、優湊も、温和で物腰の低い大人になれた…。

優湊は大人になって、分かった…。

父が、物心ついた頃から、厳しかったのは、優湊の将来のために、酷いことも平気で言ったが、それに耐えられる人になって欲しいから、父は、優湊を甘やかさなかったのだ。

厳しい社会を、乗り越えられる、立派な人に育てようと、父も必至だったのだ…。