父の顔色を伺っていた優湊

優湊は、小学4年生になった頃、急に成績が上がり、学校では、優等生で知られることとなる。

当時の担任の先生が、優湊を気に掛け、常に優湊の可能性を信じてくれた、良き先生であった。

しかし、その担任の先生とは、対照的に、
優湊の父親は、優湊のことに関しては、無関心で、放任主義であった。

優湊は、小学校に上がる頃から、男子に暴言や罵倒や差別などで、いじめられていた。

それは、遠隔通学していた高校時代も、同じだった。

それを父に明かしたのは、大人になってからで、父は、フーンと言った感じで、優湊の心を案じようとはしなかった。

優湊が首吊り自殺や、中学校のガラスで腕を切って、死のうとした時も、父の心の目線は、いつも、優湊ではなかった。

周囲の人もだが、優湊自身も、父のことを、最低な父親だと、常々、泣き崩れながら、父を嫌い、恨んでいた…。