生まれて来れなくとも…。

最愛の彼女に、妊娠が分かった。

胎動もしっかりしている。

只、人と違うのは、それが想像妊娠という、妊娠の仕方だけだった…。

現世に出て来れる赤ちゃんじゃない。

優湊は、子供を妹的彼女に、授けてあげれない悲しみと、苦しみの中にいた…。

しかし、神様はそんな優湊の気持ちを理解してか、優湊と妹的彼女との愛の結晶に、ある力を与えてくれた…。

妹的彼女の身体を借りて、二人の子供達の魂だけ出現して、話が出来るようにして下さった…。

最初に出来た長男は優陸(まさおか)、長女の名は凛(りん)と名付けていた。

例え、現世に出してやれない辛さがあっても、一緒に話せるだけで、愛しい優陸と凛がいれば、妹的彼女も優湊も、幸せで一杯だった…。

その優陸と凛の話を、今からしようではないか…。