部活も入る気になれず、

俺は帰りの電車に揺られていた。

田舎と違い、電車は五分おきにくる。

便利だが、俺には必要なかった。

ホームには、見知った人がいた。

柚花さんだ。

また本を読んでいる。

読書が趣味なのか。


電車が来て、俺は彼女から目を離して
電車に乗り込んだ。

揺られて揺られて、家まであと少し。

そんなときだった。

柚花さんを同じ車両で見かけたのだが、

彼女の様子が何か変だった。

何かに耐えているようなかんじ。

そして彼女の近くにはスーツ姿の男。

これってもしかして…

痴漢か?