授業中、松木はずっと顔を伏せていて、

俊くんがちょっとでも呼ぼうものなら、舌打ちして、壁を蹴って。

散々八つ当たりして。

…こっちの気が散るっつーの。

そして、その状態のまま。

「時間だね」

俊くんの一言で、勝手に上着を着て、リュックを持つ。

「ちょ、松木、宿題言ってないぞ」

「あ?やんねーからいいんだよ」

「ダメ。ちゃんとメモして」

「は?」

「は?じゃない」

俊くんがちょっと怒っても。

「チッ。めんどくせー」

舌打ちばかり。

「はい。じゃあ、メモしといたから、持って帰って」