結局、松木は今日、来なくて。

「菅原、メールしてみてよ」

「え、やだ。めんどくさい」

「それでも女かよ。めんどくさがんな」

「じゃ、まーくんがすれば?」

「めんどい」

「わけわかんな」

人に押し付けようとして。

なんなんだよ。

「ま、気になるんなら、明日学校で聞いてみなよ」

同じなんだから。

「んー、わかった」

「ん。じゃね」

もうそろそろ、帰んなきゃ。

「え!?帰んの?」

「え、うん」

9時ですから。

「じゃ、俺もー」

私の真似をしたまーくんは、せっせと帰る用意をして、

「よし。帰ろう」

「や、何その一緒に帰る雰囲気」

松木がいないからって、偉そうにした。

「いいから帰るぞ」

「ちょっとよくわかんない」

なんやかんやと、2人で塾を出た。