「あ、数学があまりにもわからなさすぎて。
風雅に聞こうかな〜なんて…」

そう言って苦笑い。

「…やめといたら?」

「えーやっぱり?
自分の力でやらなくちゃ、とは思うんだけど、ほんとにわからなくて。
もう数学はほんとにダメなの!」

「いや、そうじゃなくてこんな時間に男の部屋行くって高校生としてどうなの?」

「え?なにが?」

「…いいや。風雅なら心配ないでしょ、多分」

なんのことよ、もー理玖ったらー…

「じゃあちゃんと髪乾かしなよー?」

「…うん」

私は理玖にヒラヒラと手を振ると

風雅の部屋に向かった。