色んな意味で驚く風雅をパッと離して

私に向き直る。

「これが一番の狼よ?注意してね?」

「だ、誰が狼だ!」

風雅はまた声をあげてコロッケのパン粉を払う。

「ってかまた旅行行くのかよ?」

「私だって行きたくないわよ〜。
でも夫婦で行かなきゃいけないんだもの」

「よく言うぜ。親父と一緒に行けて嬉しいくせに」

「そ、そんなことないわよ〜!」

「どーだか」

風雅はそう言うと肩をすくめて部屋に入っていった。