結芽side

屋上の階段を下りながら、

下で待っている風雅のことを思い浮かべる。

ここまで付いてきてってわがまま言っちゃったんだよね…

風雅のことを考えると自然と足が速まる。

早く言いたい…

風雅、不安そうな顔してたもん。

大丈夫って、私が好きなのは風雅だよって早く言いたい。

やっと下まで下りきって、そこにいた風雅に飛びつく。

「うわっ、あぶねっ」

「風雅、言ってきたよ」

風雅は私の頭をポンポンと撫でて私を見た。