「…結芽は知らんやろうけど、ずっと前から結芽のこと知っとった」

「…へえ」

「…っていうかずっと前から好きやってん」

「…」

「…写真見てかわいーなーみたいな。
でも実際会ったらめっちゃ可愛いし優しいしさ」

「………」

「まあ、風雅やったらええかなって気もするけどな」

竹谷はそう言って大きく伸びをした。

「…そうだな」

俺もそう答えて微笑みかける。

「なあ、苗字堅苦しいやん?
要って呼んでなっ」

「ああ、よろしく要」

「振られたもん同士がんばろか〜!」

「…ああ」

俺たちはそう言って微笑みあって、

清々しい気持ちで屋上をあとにした。