風雅の声に振り返る前に腕を掴まれる。

「俺…」

そう言いかけた風雅の声がぴたりと止まった。

「風雅…?」

不思議に思っていると

「えっ…あ、ふ、風雅!?」

風雅は乱暴に私を壁に押し付けて手を壁につけた。

…本日二回目の壁ドン。

なのに相手が変わっただけでこんなにドキドキする。

でも…

「ふう…が…?」

風雅の目…なんか…怒ってる…?

「…なあ」

「は、はいっ」

思わず敬語で答える。

「…なんだよこれ」

そう言って首をトントンと指で軽く叩かれる。

「え…」

「…自分で気づいてねぇの?
キスマーク、ついてんだけど」

き、キス…マーク…?