その日の夜。

お風呂からあがってハミガキをしていると風雅が洗面所に入ってきた。

少し場所をあけると風雅も歯ブラシを手にとってハミガキをする。

私はうがいをすると口を拭いて、

意を決して風雅の方を見た。

「ふ、風雅っ!」

風雅がうがいをしてゆっくり振り返る。

「ん?」

「あの…ありがとう…ほんとに…」

そう言うと風雅は目をパチパチさせてかぁーっと真っ赤になる。

「い、いやっ、別に当然だろっ!!」

「ううん、嬉しかったよ…。
私すごく嬉しかった…」

そう言って少し微笑む。

「…ありがとう」

「っ…」

風雅は再び赤くなって少し俯く。

「あ、あのさ」

「え?」