「…主人はもうすぐ帰ってくるわ」

「あらそう」

そう言って応接間に入り、

ソファに腰掛けるママとパパ。

…そういえばパパ、全然喋らない。

私は風雅の隣に腰掛け、要も私の隣に座った。

私の涙はすっかりかわいていて代わりにママたちにしっかり目線を向けていた。

「…主人が来るまでお茶でも」

「あらどうも」

そう言ってティーカップを受け取るママとパパ。

「…久しぶりね、ほんと」

「ええそうね」

そう言ってカップの中身を一口飲むママ。

「あなたに言ってないの。
…啓介(けいすけ)、久しぶりね」

「…ああ」

パパはそういうとカップを置く。

「…悪かったな」

「謝罪はいらないわ。
その代わり結芽ちゃんはうちにおいてちょうだい」

「…」

そこでおじさんが顔を出す。

「お客様かい?大勢来ているようだが…」

そう言ったおじさんの声が止まる。