え…?

顔を上げると…

「ふう…が…」

少し息を乱した風雅だった。

「…風雅君。久しぶりね」

「…結芽は渡さねぇ」

そう言ってママを睨む風雅。

「はぁ…はぁ…風雅…速すぎやろっ…はぁ…」

「か、要っ…」

「あら要君。どうしたの?」

そう言うママに息を整えてから声を出す要。

「…どうしたって結芽連れて行かれるわけに行かへんからさぁ。
叔母さん、諦めてや」

「…無理ね。結芽は私の娘よ?」

「やからなんやねん?
あんた親や親やって言うけどちゃうやろ?
結芽捨てたんやろ?」

そう言ってママを睨む。

「…仕方なかったのよ」

「仕方ない?
泣いてる結芽放って逃げたくせになんだその言い方。
考えればなにか策あっただろ。それを…
しかも今度は連れて行く?
…ふざけんなよ、結芽の心の内わかってんのか!!」

私はそんな二人の言葉にぎゅっと唇を噛んで涙を堪えるように俯く。

「…ここじゃ無理ね。
風雅君、あなたのお母様とお父様と話をするわ。それでいいかしら?」