風雅side

「風雅!風雅ーー!!」

女子の声援に負けないくらい大きく張り上げられた関西のイントネーション。

「要?」

呟くと同時にぐいっと腕を引っ張られる。

「風雅!ちょい来て!!」

「は!?ちょっ…」

ぐいぐい引っ張られて体育館の外に。

「なんだよ?」

「結芽!!結芽みぃひんかった!?」

「…悪い、なんて?」

「やから!!…あ〜も〜…!結芽"見なかった"!?」

結芽?

「いや…」

「マジで!?ヤバいで!なあヤバい!!
あ、そういやさっきあの高木やったっけ?高木に迫られとったで?
ほんでな!?本題やけど!結芽の両親結芽探しにきてんねん!!」

一気に関西弁で喋られて一瞬混乱したけどさっと理解して

「…ヤべぇな」

「ヤベェなちゃうわ!めっちゃヤバいわ!!」

…というか高木の話に耳持ってかれた。

…迫られた?

ってそんな場合じゃねぇじゃねぇか!!