「まあ全然脈なしなんだけど」

「えぇ!?」

なんで!?こんないい人そうそういないよ!?

「告白したら絶対オッケーだよ!
だって高木君いい人だもん!」

「ははっ、ありがと」

そう言った高木君は少し切なそうだった。

「…佐久良はさ、恋してる?」

「…え!?」

わ、私!?

「し、してるけど…脈なし…」

そう言って俯く。

キュッ…

蛇口をひねる音がして顔を上げると、

高木君がこっちに近づいてきた。

「た、高木君?」

「…好きだよ」

…え?

「あ、えーと…」

そう言い淀んでいると背中に壁が当たった。

「た、高木君…」

高木君は壁にトンと手をつくと私の首筋に顔を寄せた。

「ちょ、高木く…」

チクっ…

「え、な、なに!?」

驚いていると高木君が顔を上げた。

「ごめん、冗談」

「…へ?」