「…私、いつも失敗しちゃうんです」

「失敗?」

「…はい。
仲良くなった友達に好きな子ができたらなぜかその人が告白してきてダメになっちゃったりとか。
誤解されたりとかして…」

あ、あぁ…ありそう。

百合ちゃんかわいいし…

そりゃあね…

「…3年になったとき、また男の子が理由で友達に見放されて…」

「うん…」

「悪口まで言われたんです。それを聞いちゃって…」

百合ちゃんが顔を上げる。

「私泣いちゃったんです。
…そのとき…そのときに一条君が頭を撫でてくれて…。
その女の子たちに"面と向かって言え"って…そう言ったんです。
その姿がかっこよくて…私…」

そう言って少し頰を染める百合ちゃん。

…そっか、そうだったんだね…

理玖、やるじゃん。

「それから私、その女の子たちと話し合って今は仲良しなんです。
親友はいないけど…時々親友が羨ましいけど、本当の友達なんです。
そんな友達を作る機会をくれた一条君が好きなんです」

そう言って微笑んだ百合ちゃんは本当にきれいだった。