「すごい!どうして知ってるの?」

「兄、よく忘れ物するんですよ。
その時届けるの大変だから、ここ使えばいいって言われて…」

「へえ…」

すごい…

っていうか高木君、よく忘れ物するの??

意外〜…

「先輩たちも来ますか?
観戦ですよね?」

「あ、うん。でも…」

「大丈夫。ここみんなからは見えないとこから観戦できるんです。
私いつもここから観るんですよ。
特等席ですよっ?」

「そ、そうなんだ…じゃあ…」

私は奈津と頷きあって百合ちゃんの後に続いた。


「百合、ありがと…って佐久良!?浅川も…」

驚く高木君に百合ちゃんが説明。

「あのね、観戦したいんだって。
私もいたいからここでいい?」

「いいけど…」

そう言ってチラッと私に視線を送る高木君。

「ありがとお兄ちゃんっ。
先輩、行きましょう!」

「あ、うん…」

私はそう言うと百合ちゃんについていき、隠しベンチのような場所に腰をおろした。

…すごーい…

ここ体育館だよね?

…普通じゃないな。