そう言ってため息をつく。

…だろうな。

結果、あの親たちは悪いってことだ。

大人の事情だのなんだのよく言うけど、

結局悪いのは大人で被害者は子供。

そういうことだろ?

今もう足を洗ったとしても結芽を捨てたってことには変わりない。

…二度と会わすか。

「…まあそういうことや」

そう言って伸びをするそいつ。

「…ほんまさ、大人ってなんなんやろな」

「…ああ」

初めてこいつに同意する。

「…結芽のこと、絶対あの親らに渡さんといてな。
連れ戻そうとか思ってるらしいから」

「…渡すわけねぇだろ」

絶対…

「ってかさ!俺ら友達なろうや!」

「…は?」

「お前名前風雅やろ?
風雅って呼ぶなー」

「…勝手にしろよ」

「お前も要って呼んでな?」

「…」

馴れ馴れし。

まあでも…嫌いじゃねぇかもな。

…めっちゃイラつくけど。

俺は立ち上がって額の汗を拭い、照りつける太陽を見上げた。