屋上に出てフェンスにもたれかかる。

はぁ…なにしてんだか。

暑い…

新学期も始まってもうすぐ秋だってのに。

なんつー暑さだよ。

シャツの一番上のボタンを外してパタパタ扇ぐ。

「…一条」

不意に呼ばれて振り返ると例の転校生。

「なんか用かよ」

不機嫌極まりない俺の声音。

…絶対無愛想〜とか思われてるな。

「あのさ、結芽が住んでる家ってお前の家やんな?」

初対面でお前呼ばわりかよっ!

確かに俺も無愛想だったけどな!

ってか…名前で呼び合ってるのか、既に。

チクっ…

胸の痛みを無視して相手を睨む。