体育館にて。

応援席のある二階から、部員のみんなを上から覗くように見る。

「なんか誰もいないのが新鮮だね」

「うん…」

応援する女の子たちがいない体育館はいつもより集中力が溢れているような気がする。

ダンダンダン…

あ、風雅…

風雅はパスを回してまたパスを受け取りドリブル。

そしてシュート。

パサっ…

「わ、すごい…」

私は思わず声に出して目を輝かせた。

奈津はそんな私をニヤニヤしながら見る。